小規模企業における社員の離職対策

ある会社の社長が
「社員が会社の将来性が不安だからと辞めていった・・・」
「今年になって二人目だ・・・」
と悩まれていました。

社員の離職、これは小さな会社にとって、とても深刻なテーマです。

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しかし、大企業であれば将来性があるのでしょうか?

かつては「銀行に就職すれば一生安泰」と言われた時代もありましたが、そんな銀行員でさえ、
日々、IT化が進んでいく中、自分が活躍できる場所はいずれなくなるのでは?
という不安に駆られる時代です。

日本を代表する世界トップ企業であるトヨタ自動車も
ハイブリッド車では興隆し、一時代を築きましたが、
急激な電気自動車(EV)化の流れには、
最も遅れをとっていると指摘されています。
本当に電気自動車が主流になる時代が来るか否かは別ですが・・・。

つまり、会社の規模に関わらず、将来が安定しているかどうかなど分からないのです。
それでも一般的に小さな会社で働く社員の方が、将来への不安は大きいでしょう。
そして、その不安こそが離職へとつながってしまいます。

では「将来性に不安を感じて離職する社員」を引き止めるには、どうしたらよいのか。
その一つが、働く者同士の『絆』を作ることです。

大前提は社員を理解すること!
『絆』を作る『メンタライゼーション』

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『メンタライゼーション』という、
一般的には聞き慣れない言葉があります。
このメンタライゼーションとはmental(こころ)に由来する言葉で、人間が「人を人として理解する能力」、心の機能のことを意味しています。

これまでは主にカウンセリングや心理学などの場面で用いられていましたが、最近では、そういった領域を超えて、さまざまな場面で耳にするようになってきました。

メンタライジングの簡便な定義

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メンタライゼーション(人を人として理解する能力)は、心身ともに健全な人間であれば誰もが持ち、
自然に使えることのできる心の機能とされています。
また、この「メンタライゼーション」を使い、人が社会において円滑な人間関係のもと、生活を営むための実践を「メンタライジング」と呼びます。

メンタライジングの理論と実践においての第一人者ともいえる、J.G.アレン氏とP.フォナギー氏によると、メンタライジングは、以下の通りに定義されています。

  • 自分の心で相手の心を思うこと
  • 自己や他者のメンタル状態について注意を向けること
  • 誤解を理解しようとすること
  • 自分自身をその外側から眺めること、他者をその内側からみつめること
  • 精神的性質を付与すること、あるいは精神的に洗練させること

引用(Mentalizing in Clinical Practice,2008)

要するに、メンタライジングとは「まわりの人たちの行為を理解する」ことです。

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では、このメンタライジングを、社員同士の『絆』が生まれる職場づくりに向けた、具体的な実践例に応用してみましょう。

  1. 失敗しても許される場づくりがされている
  2. 結果と同様にプロセスに対しても評価がされる
  3. 一人ひとりが「自ら気づき学び成長する」環境がある
  4. 家族に悪影響が出るまで仕事をさせない
  5. 一人ひとりの強みを理解して伸ばすような環境がある
  6. 一人ひとりの弱みをカバーするチームが存在している
  7. 一人ひとりにやるべき仕事が存在する
  8. 仕事のフィードバックが直接あり、自分で知ることができる
  9. 自分の仕事を、自分で創意工夫できる

このようにメンタライジングとは、大前提としてリーダーが部下一人ひとりの気持ちと行為、
そして状況を理解することにより、初めて実践できるものなのです。
リーダーが一人ひとりを知ることで、メンタライジングの実践が確立され、明るく円滑な職場の中、
部下が最大限の能力を発揮するようになっていきます。
さらには、リーダーに育てられた社員が他の社員をメンタライゼーションし、育てられるようになり、
優秀な社員の育成が繰り返される仕組みができ上がっていくのです。
そうなれば、よもや離職率で頭を悩ませることもなくなるでしょう。

社員が育つ仕組みが
社員同士の『絆』となる

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メンタライゼーションは、相手の心を理解する能力です。まわりの心を理解した上で、相手に合わせた対応ができるようになり、人を育てることができます。
この能力が組織で発揮できれば、どんなに小さな会社でも「将来性に不安を感じて離職する社員」を減らすことが出来ることでしょう。

なぜならば、人を育てることほど、やりがいのある仕事はないからです。
そして、人は、誰かに理解してもらうほど、相手を信用するようになります。
こうして作られた信頼関係によって、社員が安心できる職場ができるのです。
どんな会社に就職しても、将来の安定など約束されることはありません。
だからこそ、働く者同士の『絆』が大切なのです。