- 九州の熊本から、千葉の治療院へ通う。
- 都内に住む子どもが、東北の実家を建て替える。
- ロンドンから、セミナー受講のために都内に通う。
なぜ、1万円に満たない治療費なのに、3万円を超える交通費をかけて、熊本県から千葉市の治療院に通うのか?
不思議ではありませんか?
だって、命にかかわる手術をするわけじゃないんですよ…。
遠く離れた他県に住む子どもが、会ったこともない建築会社さんに問い合わせして、実家の両親の家を建て替えたり、大規模リフォームしたりする。
不思議じゃない?
だって、1,000万円を超える工事を、ネット上で探して、ほぼ1社に決めて問い合わせしてくるんですよ…。
でも、確かに、遠く離れたところに住んでいたら、実家の近くの建築会社には何度も通えないですよね。
「時間の使い方」は「命の使い方」です。
インターネットの普及によって、便利な世の中になりました。
だけれど、何を基準に信用し、依頼先を決めるのでしょう?
私は数年前から不思議に思い、ずっと考えていました。
ネット上で自動車が取引されるようになってから、もう15年は過ぎたでしょうか。
自動車はリスクを背負ってでも、ネットで売買が成立しやすいのかもしれません。
でも、家の建て替え、リフォーム、塗り替えは、生活に直結する事柄です。
なぜ、遠くに住んでいる家族が、会ったこともない建築会社に依頼できるのでしょう?
また、高額な交通費をかけてまで、熊本県から千葉市の治療院へ通う。
その理由はいったい何か。
まったく知らない顧客を信用させるポイントは、どこにあるのでしょう?
弊社のコンサルティング事業部には、「電話コンサル」というサービスがあるので、会員様が遠方にお住まいでも仕事は成り立っていました。
しかし、身体の治療や家の建て替え、リフォームとは別次元です。
ところが、弊社のコミュニケーション事業部では、年に数回、同じようなことが起きています。
それは、東京で開催している10日間で参加費30万円を超えるセミナーへの、東北、九州、中国(海外)など、遠方にお住まいの方からの申込です。
今年は、ロンドン在住の方が参加してくださいました。
東北や九州から通ったら、宿泊代と交通費だけで参加費を超えてしまいます。
中国やロンドンから通う参加者は、参加費の数倍の費用をかけていることでしょう。
なぜ、弊社を選んでくれたのでしょう?
「なぜ、選んでくれたんですか?」共通する顧客の動機。
椎名:「遠くからありがとうございます。来てくださった理由を聞かせていただけませんか?」
参加者:「ネット見て、ここだって決めたの!」
他の参加者の方にも、同様の質問をしました。
すると、このような答えが返ってきました。
「ネット見て、直感でここだって……」
「本物はここだって感じたの……」
そう、来ていただいた動機は同じ。「律動」です。
それは音楽の律動ではなく、心と心が響き合う律動。
このような経験はありませんか?
初恋のときや、結婚相手に初めて会ったときのビビッと感とか。
直感が降りてきたときとか。
マーケティングにおける律動とは、派手な広告や目を引くキャンペーンではなく、
ブログの一行、
言葉の余白、
言葉の行間に共鳴してくださる方が、自然と来店されるような流れのことです。
独走するマーケティングは、ネット上の比較検討で勝っている結果です。
それは、どのように起きるのか?
そうです。「言葉」で起きるんです。
正しい言葉で起きるのです。
弊社は広告を止めて5年が過ぎました。
また、家族が経営する会社は、年間2万円だけ広告を付き合いしています。
一緒にマーケティングを学ぶ仲間たちのなかにも、広告を止めて、
ブログ、
広報活動、
SNS発信、
これらでマーケティングする会社が増えました。
皆さんご存じですよね。
顧客に嫌われる広告があることを。
もちろん、そうでない広告もありますが…
でも、顧客の自由な時間を遮断するネット広告の一部は、ちょっと最悪です。
どうやっても押し売りになる広告が、誠実な正しい言葉を紡ぐブログに勝てるとは思えません。
それでも安売りなら、広告するよいのでは…