集客!自分で仕組みをつくる?それとも、誰かに頼るか。それって、自分の足で歩めなくなることだけれど……。

広告、ポータルサイトに依存しすぎる罠

集客のスタイルは2つです。
自分の力で仕組みをつくるのか、外の力に依存するのか。

外部依存の集客は「短期的には成果が出る」一方で、以下の問題があるでしょう。

  • 利益が削られる
  • 顧客が定着しない
  • 集客の主導権が取れない

ポータルサイトや広告に依存した集客には、確かにメリットもありますが、同時に大きなデメリットを抱えているのです。

  • 「結局、他社と横並びになって、うちの強みなんて全然伝わらない。」
  • 「ポータルサイトに載せても、契約が取れたときの手数料が高すぎて利益が残らない。」
  • 「広告の順位が下がるだけで、問い合わせが一気に減る。あれじゃ安定しないよ。」
  • 「口コミや評価に振り回される。真面目にやっていても、点数ひとつで集客が変わる。」
  • 「先方の仕様変更ひとつで集客が激減する。自分たちじゃどうにもできない。」
  • 「広告も同じだよ。出している間はお客様がくるけど、止めたらピタッと止まる。」
  • 「毎月何百万円も広告費をかけているのに、利益がほとんど残らない。」
  • 「広告単価はどんどん上がる一方で、前ほど効果が出なくなってきた。」
  • 「広告から来るお客さんは、値引きが当たり前みたいに言ってくるし、リピートなんてほとんどない。」

お気づきでしょうか。本当の意味で“自社の集客力”が育っていないことこそが、一番の問題なのです。

だから、自分の力で集客の仕組みをつくらなければ、事業を善循環させるのは困難です。まわりを見れば、すでに、その現実が見えているはずです。

広告、ポータルサイトの利用は、今すぐ結果が明確になるメリットがあります。ただし、知らない間に、それらに依存する体質になっていませんか。

事業の鉄則!大きな市場を選ぶ

起業してビジネスを好循環させるには、大きな市場を選ぶのが望ましい。
衣食住、教育、美、健康、恋愛、お金といった分野です。

大きな市場を選び、その一部で勝負すること。
これが起業で成功する大前提です(私は2003年に教わり、その通りだと実感しました)。

的を射ていれば、成功までの道は速い

ある地方都市でNo.1の税理士事務所の経営者。
彼とのお付き合いは20年以上。
友人であり、人生の先輩であり、ビジネスのお手本でもあります。

その税理士事務所には、スタッフが70名以上在籍しています。
彼が経営する事務所が地元の税理士市場で圧倒的な理由があります。

その理由は、彼らだけが“顧客に魅力的な価値”を提供しており、他の事務所とはレベルが違うからです。

たとえば、一般的に税理士に顧問を依頼する大きな理由は、税務申告の関連業務です。
彼の事務所でも、それをするのは当たり前。
そして、それ以上の価値を提供します。

それは、“顧問先が業績を上げるヒントを提供してくれる” ことです。
会計の数字から、ビジネスチャンスを指導してくれるのです。
だから、顧問料金が2割3割高くても、地域で一番の組織になったのです。

それはあっという間でした。
他界されたお母様から、「事務員さんを雇用できる事務所にしたいね」と言われて、10年も経たないで地域一番店になっていました。

彼は間違いなく成功者です。

どんな仕事でお客様に喜んでもらうのか?

『自分で仕組みをつくる』とは、集客を考える前のことです。
集客戦略ではなく、“事業戦略を顧客視点で徹底的に考える”ことです。

ビジネスは、最も重要な社長の仕事である集客からはじめるのではなく、その前提となる顧客戦略からはじめるのです。

自分が売りたい商品・サービスからはじめてはいけません。
なぜなら、長続きしないから。それは“販売”といいます。
一方で、顧客戦略からはじめることを“マーケティング”といいます。

これが、集客を外の力に依存しても上手くいかない理由です。
自分の都合からビジネスを考えるのが“販売”。
顧客選び、選んだ顧客が求める価値を提供する試みが“マーケティング”。
まったく真逆なのです。

顧客戦略を考えないままの“販売”は危険信号

どのお客様を喜ばせるのかを考えましょう。
「誰に、どんな価値を提供するのか?」を決めないまま売ろうとしてはいけません。

自己中心的な姿勢では長続きするわけがありませんし、うまくいくわけがありません。

たとえ、商品やサービスが優れていても、顧客の求める価値を考え、顧客が誰なのかを定めない販売は、自ら迷路にはまっていくようなものです。

結局、マーケティング視点を欠いた販売は、“価格競争”に陥るようになります。
もしくは、新しい商材・サービスを探してしまうことになるでしょう。

顧客戦略がない販売は、顧客からの分かりやすい差別化にならないので、
「安くしないと売れない」というスパイラルに陥りやすいのです。

上手に頼る

ビジネスを学ぶためのセミナーに参加するなら、顧客戦略を学ぶことをお勧めします。
高いだけのセミナーに自己満足してはいけません。

ポータルサイトを頼るのは、スタートダッシュのときだけにしたいですね。
まだ自分の仕組みを持たない人たちが集う場であり、価格競争やキャンセルが当たり前になっている場所ではありませんか?

異業種交流会に参加するなら、「損得」でビジネスをする偽物ではなく、「善悪」でビジネスをする本物に出会えたらラッキーです。
異業種交流会にも本物は大勢います。ただ、マーケティングを実践している人が少ないだけなのです。

集客ツールを選ぶ際は、顧客に役立つ情報を提供することが大切です。SNSの種類で差別化がされるのではなく、それぞれのSNSにそれぞれの価値を持つ顧客がいるに過ぎません。
顧客にとって価値のあることを提供しましょう。

だからこそ、まず“顧客を選ぶこと”から始めましょう。

著者プロフィール 椎名規夫(公認心理師、マーケティングコンサルタント)

株式会社エムディー代表
経歴:社団法人取手青年会議所 1999年理事長

1961年生まれ。茨城県取手市出身。

「変われなければ心理学ではない!」をスローガンに、心理の国家資格『公認心理師』の知識を活かして、日本で唯一、科学的根拠のある心理学をベースにしたコミュニケーションスキル(コーチング、カウンセリング、メンタリング、セラピー、コミュニケーション能力、コミュニケーション心理学)を提供。

エビデンスベースド(科学的根拠のある)心理学とコミュニケーション能力こそが社会人、ストレス社会、人生100年時代に役立つスキルと確信してトレーニングを実施中。

  • 総務省 「コミュニケーションの基礎に関する研修」
  • 全国6万社が加盟する厚生労働省の労働基準局所管特別民間法人『中央労働災害防止協会』にてコミュニケーション技術力研修担当10年以上
  • 労働基準監督官(国家公務員)合同研修でメンタルトレーニング・コミュニケーション技術担当
  • 独立行政法人教職員支援機構にて全国の小・中、高等学校の教員向けコーチング講座担当など
マーケティングコンサルタント椎名規夫

椎名規夫トレーナー