新規客集客が減り、売上が伸び悩む時代の問い合わせハードル

「価格勝負は、もう限界……」

「ライバルに流れてしまう……」

「毎日、SNSを更新しても集客できない……」

新規客の入り口を頑張っても、出口が悪けりゃ新規客に避けられます。

社長あいさつ、ビジネスストーリー、クチコミ。

お客様から喜んでもらうのが仕事。それは、当たり前ですが、本当にうれしいものです。それは、何かを突破するエネルギーをもらうようです。

価格ではない。

近くだからではない。

会社の大きさではない。

以前は、広告からの友だちが経営する美容室に20年ほど通っていました。なぜそこに通っていたかというと、友だちだったから。他にどこに行けばいいか分からなかったからです。

ところが、10年前から妻と一緒に、車で2時間かかる山奥の一軒家にある美容室に通い始めました。年間で8回も行きます。最初は抵抗がありました。「なぜ2時間もかけていくのか」「どんな先生なのか」「男性客でも大丈夫なのか」。

その不安は静かに感動へと変わりました。その美容室には、カット椅子が一つ。シャンプーチェア一つ。こだわりを感じる店構え。そして、何とも驚かされたのが、何もない『無』の境地を味わえる場所があることです。

いつも、ほぼ会話をしないで1時間でカットが終わります。通い始めて2年ほど経った頃でしょうか、「先生、ここには何もないのに、すべてがありますね」と言ったことがあります。すると彼は「ありがとうございます。分かる人には分かるんですね」と……。

驚いた。彼は意図的に「場づくり」をしていたのです。こんな田舎にぽつんと一軒。通常なら怪しくて、なかなか入る勇気が出ないでしょう。

妻がカットされている時間、「外の田園の空気を味わっていました。すると、宅配便の運転手が話しかけてきたのです。「なぜ、この美容室は、いつも満員なんですか?」「毎日、荷物を運びに来るたび、停まっている車が違うんですよ」。若くておしゃれな運転手は、以前からずっと気になっていたようでした。

彼に「カットしてもらったことないの?」「予約が取れたら、一度、試してごらん。2時間、3時間かけて、ここに来るのを楽しみにしているんだ。腕も確かだけれど、ここにしかないものがあるんだ」

どんなに優れた商品やサービスでも、お客様には届かない」

これはどのビジネスにも言えることではないでしょうか。

どんな会社に時間とお金を費やし、お客様自身の求める価値を満たそうとするのか。

顧客が求める価値は様々ですが、一番は「人柄」、人間性ではないでしょうか。最近、日々の買い物を任され、週に3回はスーパーに行きます。店員の対応、どのレジに並ぶのか、誰に声をかけたいか、かけられたいか。笑顔のレジか、流れ作業のレジか。

時間を使う。お金を支払う。それを決断させる最後のハードルです。それは、Webサイトの社長挨拶、ビジネスストーリー、スタッフ紹介。そして、Googleクチコミ、その他のクチコミ要素なのです。そこから、人間性、人となりをお客様は感じようとするのです。

だから絶対やってはいけないこと。ウソをつかないこと。Googleクチコミを買わないこと。お客様にはバレます。そうです。誠実以外に勝ち残れない。それがWeb社会の特徴です。

著者プロフィール 椎名規夫(公認心理師、マーケティングコンサルタント)

株式会社エムディー代表
経歴:社団法人取手青年会議所 1999年理事長

1961年生まれ。茨城県取手市出身。

「変われなければ心理学ではない!」をスローガンに、心理の国家資格『公認心理師』の知識を活かして、日本で唯一、科学的根拠のある心理学をベースにしたコミュニケーションスキル(コーチング、カウンセリング、メンタリング、セラピー、コミュニケーション能力、コミュニケーション心理学)を提供。

エビデンスベースド(科学的根拠のある)心理学とコミュニケーション能力こそが社会人、ストレス社会、人生100年時代に役立つスキルと確信してトレーニングを実施中。

  • 総務省 「コミュニケーションの基礎に関する研修」
  • 全国6万社が加盟する厚生労働省の労働基準局所管特別民間法人『中央労働災害防止協会』にてコミュニケーション技術力研修担当10年以上
  • 労働基準監督官(国家公務員)合同研修でメンタルトレーニング・コミュニケーション技術担当
  • 独立行政法人教職員支援機構にて全国の小・中、高等学校の教員向けコーチング講座担当など
マーケティングコンサルタント椎名規夫

椎名規夫トレーナー